ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その214

時間が流れました。

おますは
顔は
無表情ですが
心の中は
とても
心配でした。

清左衛門の顔を
見ていると
だんだん表情が
変わっていくのが
わかりました。

鶴松に
「早く答えたらわ」と
優しく言いました。

でも
無言の時間が
過ぎました。

明治時代ですから
家族で
親しくお話しするということが
ない時代だとしても
その無言の時間は
その場にいた
3人を息苦しくしました。

清左衛門は
気をながくと
心に言い聞かせながら
その時間を
乗り越えていました。

何時間の
時間が
流れたのでしょうか。

日が
西に沈みかけ
電灯などない時代
部屋暗くなってくると
清左衛門は
ついにしびれが
切れてしまいました。

「そんなに
家督を
引き継ぐのが
嫌なら
弟の
伊之介に
家督を譲って
わしは
隠居する。

お前は
村はずれの
倉野の家に
行きなさい」と
強い調子で
言ってしまったのです。

おますは
落胆した表情でした。

逆に
鶴松は
ホッとしていました。