ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その218

家督を
譲った頃には
4町歩の田んぼを
持っていた
野田家ですが
清左衛門は
これ以上
田畑は
増やさない方針でした。

これ以上増やすと
小作に出さなくてはならないからです。

小作人の
悲哀を
いやと言うほど
味わった
清左衛門ですから
小作には出したくないのです。

作男(家業を手伝わせる雇い人)の
待遇も
よく働いてもらっていました。

江戸時代の
奉公人の休みは
盆と暮れ
月に
一回程度でした。

勤務時間も
日が昇る時間から
夜遅くまで続きます。

今流に言えば
早朝残業
深夜までの残業で
働く時間は
15時間を超えるものです。

清左衛門は
先ず
日曜日は
休みにしました。

労働時間も
短くしました。

ゆっくりとできるために
地主になったのに
何も変わらなかったら
意味がないと
考えはじめていました。

おますも
何も言いませんが
清左衛門の方針には
大賛成の様子でした。