ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その81

篠原君を見る目も
雪子は変わっていきました。

そのわずかの変化を
篠原君は
わかりました。

今までは
誤解で
「雪子さんは
ぼくが好きだ」と
思っていたのが
「絶対に
雪子さんは
ぼくが好きだ」に
変わりました。

3年生の
夏休みが終わって
例の
生薬鑑定試験が
行われることになりました。

いつもの
実習の時間に
準備室に呼んでの
試験です。

試験自体は
老練な
実験助手が
行います。

ひとりずつ
呼び出されて
無作為に選んだ
生薬を見せられて
答えるものです。

学籍順に
行うので
古屋さん
雪子
松本君
篠原君の順です。

初回に合格するのは
今までは
2割くらいです。

実験室で
待っていると
いつもの
のほほんとしてる雪子ではなく
かなり緊張の雪子でした。