ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「もしものマリヤ」おじいさんおばあさん編

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」

試験の不運で
農芸化学
進学したのですが
マリヤにとっては
良かったのかもしれません。

 

マリヤの優しいお父さんとお母さんは
丹波の出身です。

 

天引峠を
隔てて
ふたりは
暮らしていたそうです。

 

学校行事で
小学校の時に
天引峠への
遠足がありました。

 

険しい峠を
上って
峠の上で
ふたつの学校が
出会うというものです。

 

今は
トンネルができていて
便利になっていますが
当時は
険しい山道でした。

 

父母は
ここで出会って
知り合ったそうです。

 

マリヤには
ロマンティックに思えました。

 

父親の
家は
天引峠の
西側にあって
農家でした。

 

父親の父親
すなわちおじいさんは
冬には
杜氏(とうじ)として
灘にお酒を造るに行っていました。

 

母親の
家は
峠の
東側にあって
缶詰を作っていました。

 

付近で採れる
作物を
缶詰にしています。

 

缶詰作りは
かなり大掛かりで
祖父母の代から
続いていました。

 

小学校の遠足で出会ってから
おじいさんに連れられて
西側の農家に買い出しに行ったのです。

 

その時に
母親は父親に再会したそうです。

 

お手伝いで
何度も
ふたりは出会って
仲良くなりました。

 

運命の人だったのだと
父母は
話していました。

 

マリアは
そんな二人の仲に
生まれました。

 

就学前は

盆暮れはもちろん
1カ月に一度のくらいで
ふたつの祖父母を
訪れました。

 

マリアが行くと
おじいさんやおばあさんは
大変喜んでくれました。

 

そして
お酒作りのことや
野菜の作り方
缶詰に合う野菜についてなどを教えてもらいました。

 

もうひとつの
おじいちゃんおばあちゃんの家に行くと
同じように
喜んでくれて
缶詰を
作ってくれました。

試作用の
小さな釜で
いろんなものも
作ってくれました。

 

マリアは
不運でしたが
秀才で優しかったので
おじいさんおばあさんに
大変気に入られて
大きくなっていきました。

 

そんな影響を受けて
農芸化学の道に進んだのかもしれません。