歳をとると 月日が経つのが 早くなったと 感じていました。 一週間は すぐに過ぎ 運送屋さんに 荷物を運んでもらいました。 避難所のみんなと 別れを惜しんで 握手して 別れを告げました。 でも 翌る日には また避難所に 今度はボランティアとして 来るのですが その時は 一生の別れというかんじでした。 冴子は 電車で 園田アパート 行きました。 車は なかなか来ませんでした。 小さなお部屋ですので 掃除も済んで 待ったいました。 いつものように 渋滞していて 車は 園田のアパートには 到着しませんでした。 夕方になって 車がやってきて 荷物を運び込んでもらいました。 冴子は 窓から入る 夕日が まぶしく見ました。 駆け落ちして以来 自分だけの夕食を 初めて作って 食べました。 ひとりで あまり何もない アパートで ひとりで 食べると 悲しくなりましたが 泣きませんでした。 強く生きていくと 勇治と あのとき約束したから 絶対に泣きませんでした。