ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その75

水飲み百姓の
小作人なら
泥棒とは
全く無縁のものです。

しかし
曲がりなりにも
銭を
蓄えた
清左衛門の家は
心配でした。

皆には
お金がない風を
装っていました。

別に
装わなくても
誰が見ても
貧乏所帯であるように見えたのですが
清左衛門は
そうだったのです。


そんな
清左衛門の家は
村はずれの
里道に沿ったところにありました。

江戸時代初めには
小作人の家は
おおかた
竪穴式住居だったのですが
幕末のこの頃には
そのような家に住んでいる人は
いません。

竪穴式住居のような
掘っ立て小屋は
長持ちしません。

それの方が
非経済的だったのです。

江戸時代の終わり頃の
家の作り方は
その当時の
技術としては
確立した合理的なものでした。

まず
建てる敷地を
少しかさ上げします。

水田は
低い方が
水がよく入ってきます。

洪水の時に
田んぼに残される
土砂などが
あまっているので
それで
一応
土盛りをします。

お金持ちの
大地主さんは
洪水に遭わないように
石垣を積んで
高くしていました。