ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

アスカル帰還せよ その16

私は
サリナさんが
宇宙に投げ出されたのを
直ぐわかりました。

そんなに早くではないけど
サリナさんは
探査機から徐々に離れていきました。

サリナさんの体は
ゆっくりと回っていました。

私は直ぐに
船外活動機を
サリナさんの方に向けて進みました。
船外活動機は
安全装置があって
探査機に対して
スピードが出ないようになっています。
それと
探査機から
500m以上離れないように
制御されています。

探査機から
離れすぎると
もう帰れないからです。

サリナさんが離れる速度と
船外活動機の速度は
同じくらいで
これではいつまで経っても追いつかないばかりか
船外活動機の
飛行範囲を
越えてしまいます。

このままでは
サリナさんは
助ける事ができません。

サリナさんの表情は
何かうれしそうに見えました。
それに手を振っていました。

私は
船外活動機の
安全制御装置を
はずす事を決意しました。

訓練では
安全装置をはずす事は
まったくありませんでした。
手動の
運行は
極めて危険です。

しかし
安全キャップのふたを
破って
安全装置を
OFFにしました。

直ぐに
船外活動機の速度は
早くなりました。
徐々に加速がつき
サリナさんに近づきました。
サリナさんを追いつく瞬間
私は
サリナさんが手を上げたので
私はしっかり捕まえました。

サリナさんの安全フックを
船外活動機に付けて
私は
探査機に帰ろうとしました。

後ろを振り返ると
探査機は
もう点のようになっていました。