ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その17

水が
まだまだ
水路に少ない時なので
川をせき止め
堰を開けたからといって
田んぼに水が
入ってきません。

そこで
水車(みずぐるま)を
使います。

木で出来ていて
一段低い水路の水を
少しだけ
上げて
のしろに
入れます。

備中が
お金を出して
買わなければならないのに対して
水車は
何とか
自作できる代物です。

細い木と
板を組み合わせて
作るのです。

今ある
水車は
先代の
清左衛門と
その弟(清左衛門の叔父さん)が
つくったもので
村の中では
よく上がると
有名でした。

川をせき止めた
ところに
水車を設置します。

水車の上に乗って
足で
水車を
回すのです。

落ちないように
竹の棒を
横に刺しておいて
手すりにします。

端から見ていると
水車の上に乗って
ゆっくりと
歩いているだけのように見えて
ゆったりしている風景のように
見えます。

しかしこれは
見るほど
ゆったりしていません。

どこまでも
続く
坂を
上るような
もので
終わりがありません。

休みもありません。

亀太郎は
まだまだ
体重が
軽くて
うまく回せませんでした。

あまりゆっくり回すと
水が
隙間から
流れて
全然上がってこないからです。