ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「後半戦はこんな作戦で」暑い夏の思い出編その1

今週のお題「暑すぎる」

電話の相手は
妹でした。

「テレビ見たよ」という電話でした。

少し話して切ると
また電話です。

大学の時の友達でした。

次々と電話がかかってきて
総数は8本もありました。

「テレビの効果はすごいな」
と思いました。

純一からの電話がなかったことが
残念でした。

「純一さん、
見てないのかしら」と
考えてしまいました。

もう寝ようかなと思った時
見知らぬ電話番号から
電話がありました。

出ようか出まいか悩んでいると
自動応答になって
相手のメッセージが
流れました。

高校の時のクラスメートでした。

カッコよくて
みんなのあこがれの的で
片思いの相手だった人カオルでした。

「テレビ見たよ。
一度会いたいなー」と
メッセージを残していました。

理子は
胸がキュッとして
熱くなるのを覚えました。

すぐに電話をかけるか迷っていました。

時間はどんどん過ぎていき
このままかけないと
一生後悔するという考えにいたり
電話をすることにしました。

着信履歴より
その電話を選んで
かけようとした瞬間
純一君から電話がありました。

純一君は興奮していて
「テレビの理子さんは
とてもきれいだった」と言った後で
「もちろん実物のきれいだ」と言い直ししました。

なんだかんだと
1時間ぐらい長電話をして
切れました。

純一は見ていてくれたんだと
思うと何か胸が熱くなって
先ほどの電話をかけることをすっかり忘れて
寝てしまいました。

翌日は引っ越しの日です。

真心が朝早く来ました。
そのあと
純一もやってきましたが
ほとんど整理されていたので
お茶を飲んで
引っ越し業者を
待ちました。

引っ越し業者が来ると
見ている間に片付けて
自動車に乗せ
出発になりました。

理子と真心は
純一の車で
理子の家に向かいました。

自動車の中で
テレビの話で
話が弾みました。

電話が多数かかってきたということも
話しました。

真心は全部で6本だったことも

理子は9本でしたが
数えていないと答えました。

そのことで
カオルのことを
思い出しました。

電話はもうダメだと思いました。

家に着くと
同じように引っ越し業者は手際よく
片付けあっという間に終わって
帰っていきました。

真心や純一にも手伝ってもらって
あとは片づけました。

そのあと
真心と純一を加えた家族全員
で食事をしました。

純一は
「理子さんのお母さんは
本当に料理が上手だね」と話が弾みました。
テレビの取材の様子なんかも
詳しく話して
その日は終わりました。

もう寝ようかなと思った時
カオルからの電話がありました。

登録してあったので
電話はカオルとすぐにわかりました。

通話にすると
カオルは開口一番
「理子さん懐かしいですね。」という
声はまったく変わりませんでした。

その声で暑い日の
あの日の思い出が
頭の中に
ザーと呼び出されました。