ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

昭和30年代初めの頃 小話その2

土間に下りて
母に
「おはようございます」と挨拶しました。

我が家では
父母には
今考えれば
敬語を使っていました。

昔の家は
当たり前ですが
お料理をするところや
かまどのあるところ
流しのあるところは
土間になっています。

土間とは
土に
苦汁(にがり)を混ぜ
突き固めて
コンクリートたたきのように
したところです。

アルミの洗面器を
持って
母のところに行くと
かまどの上の
おおきな鉄鍋から
しゃくですくって
お湯を入れてくれました。

こぼさぬように
外の流しに持って行って
顔を洗いました。

4歳の頃は
私は
歯を磨いていませんでした。

私が歯を磨くようになったのは
たぶん
小学校三年生ぐらいの時からです。
もちろん
朝起きた時に
一回磨くだけです。

甘いものなど
食べられませんので
小学校低学年では
虫歯はなかったです。

顔を洗って
手ぬぐい掛けにある
自分の手ぬぐいで顔を拭きました。

当時は
タオルはありません。

柄のない
日本手ぬぐいで
を使っていました。

顔を拭いて
板間に戻ると
父と兄が帰ってきました。

「おはようございます」と
挨拶しました。

父と兄は
「おはよう」と
言ってくれました。

父は
気難しいので
機嫌を損ねないように
子供ながら
思っていました。

父と兄は
顔や手足を
お湯で洗って
さっぱりして
板間の
上座の
座布団の上に座りました。

父母兄は
冬のこの季節には
六時前に
起きて
父と兄は野良仕事に出かけていたと思います。

母は食事の用意をしていたのではないかと
思います。

かまどは
ふたつあって
ひとつは
ご飯を炊くための釜に使います。

もうひとつは
お湯を沸かしたり
味噌汁をつくったり
牛のための
ロールを作るために使っていました。